近くの図書館で、僕が尊敬している鎌田實先生の著書「言葉で治療する」を借りました。
この本の一部から、今の僕達夫婦にとって、大切な節がありました。紹介します。
「医師から患者へ、先生から生徒へ、親から子へ、上司から部下へと、上下関係の上のほうから下のほうへ、強い側から弱い側へ、一方的な言葉の投げかけが、現代という時代は多いように思う。競争社会では、相手と意見が違えば、それに負けないように、論理的を高めていくという方法ばかり強調されてきた。しかし、他人を押しのけて、自分の意見ばかりを主張していく社会というのは決していい社会ではない。
親は子供を愛しているのに、結局、歯車がかみ合ってないことが多い。子供の言葉を聞く前に、親が自分の考えを押し付けてしまっているのだ。
まず、子供の言葉をじっと待つ。そして、子供からの言葉を受け止めてから、親が言葉を返すというのが、本来のコミュニケーションの形だと思う」
僕達夫婦は、2人の子供を持つ親として、またもう一つ歯科医師という側面を持っています。
患者さんの事を思い、「このままでは、お口の中が壊れてしまう。少々キツい言葉だが、お口の健康を思えば…」など考えながら、厳しい戒めを言ってしまった事が度々あります。
言い放った言葉に、よって患者さんが傷ついた事があったのではないか?と考える。
子供に対しても、明らかに、こんな事をしたら失敗だと思うと、親である僕達が言葉を発して、ドンドンやってしまう。
この本にある、子供の言葉を待てない親になってる事に気が付く。
また僕は、亡くなった父を思い出しました。
僕は、このブログでは書けないような事をして、親を悲しませた事が度々ありました。
父は、そんな僕をじっと見守りながら、僕が間違っていた事を学び、戻って来た時は、いつも大きな愛で受け止めてくれ、慰めの言葉を投げかけくれて、そしていろんな面でフォローしてくれた素晴らしい父でした。
僕達夫婦は、現在「言葉で治療する」の逆の「言葉で病んでる」という状態です 。
僕達家族のためにと思われる言葉で、僕は去年の暮れから胃炎に、妻もこないだ寝込んでしまいました。
本当に「言葉」って大きな癒やしになり希望にもなり、暴力にもなる凄い力があると、今回身を持って知りました。
正に「言葉」は、「言霊」なんですね。
これから自分の発する言葉を、自分の感情ではなく、言い放なたれた方の立場に立ち、よく考えて話していかなけばなりません。
本当に、素晴らしい本に出会えました。
鎌田實先生、ありがとうございます。
posted by nariden at 12:21|
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