2012年09月13日

無力

僕が勤務医の時から、足立区より20年くらい通院していただいているご婦人がいらっしゃいます。

3ヶ月に一度の検診は、ずっと欠かさずご夫妻で来院していただきましたが、3年前にご主人がお亡くなりました。

僕は、訃報を聞いた時は驚き、自宅まで出向きお線香をあげさせていただきました。

20年くらいのお付き合いなので、僕はこのご夫妻とは縁と言うか、繋がりを勝手ですが感じております。

そして、足立区から世田谷区まで幾多の歯科医院を通り越して、当クリニックに通院し続けていただいている事、言い表せないほどの感謝の気持ちで何時もいっぱいです。

そのご婦人が本日、定期検診にお越しになりました。

お顔を拝見すると、前回の検診の時よりかなりお痩せになり、お口の中もいろんな箇所が悪くなっておりました。
あまりの体調の悪化に僕は、驚き原因を探るべく、いろいろ日常生活の事を聞いてみました。

ご主人が亡くなった後、家庭内でいろいろトラブルが続き、心底まいってしまっているそうでした。

心身の過労やストレスが、こんなに影響するんだと再確認すると同時に歯科医師としてどうすれば良いのか?
と考えました。

僕が今できる事は、お口の中を綺麗にクリーニングし、トラブルの話を親身なって聴いてあげる事しかできませんでした。
このような時、歯科医師としての無力さを感じます。

ただ僕は東洋医学を学んでいます。そのご婦人の疲れやストレスを楽にする漢方薬やお灸があるので、次回来院の時は、それらを試みようと思います。
posted by nariden at 22:51| Comment(0) | 日記